ポチ小屋の特徴
★自然素材★高断熱性★高耐久性★高耐震性★わんこ仕様★

断熱性、耐久性、耐震性、建築資材の多くは、家が完成してしまうと見えなくなってしまいます。
建築過程の見学をぜひお勧めします。

施工:株式会社アライ
 設計:秀雅設計事務所

                                                         最終更新日:2009年2月27日

                          ★自然素材★
 ポチ父・ポチ母ともアレルギー体質なので、自然素材以外の建材はなるべく使いたくありませんでした。
 埼玉の自宅を建てた時にはポチ母に強い皮膚反応が出ました。皮膚科を受診したところ建材に含まれる化学物質が原因であることが分かりました。
 また、ポチ小屋建築前に色んなお家を見学させてもらいましたが、いくつかの家(株式会社アライ建築物件を除く)では見学中に気分が悪くなったり、倒れそうなくらい頭が痛くなったりしたことがありました。

 内壁:漆喰または珪藻土。
 天井:杉板。
 フローリング:カバ桜.
                          ★高断熱性★
 ポチ小屋のQ値は1.512(計算ソフトQPEX)。
 「Q値」とは「熱損失係数」と言ってこの値が低いほど断熱性能が高いことを意味します。ポチ小屋のQ値は北海道の次世代省エネ住宅に相当します。すなわち、ポチ小屋を北海道に建てても暖房費を節約しながら暖かく過ごすことができます。
●壁断熱材

 高性能16Kのグラスウールを使用。

 厚さは120mmですが、写真のようにフカフカの状態で150mmほどありました。断熱材の断熱性能は厚みに比例します。

 鋭角の部分にも丁寧にグラスウールが詰められています。どんなに良い断熱材を使用しても施工が悪ければ意味がありません。
●開口部(窓・ドア)の断熱
 開口部(窓やドア)から逃げる熱は大きいので、この部分の断熱は非常に重要。
 しかし、開口部の断熱化をしっかりやるとコストが非常にかかります。
 ポチ小屋のサッシの窓枠はオール樹脂、ガラスは複層です。アルミサッシは熱伝導率が高く断熱性が低いのに対し、樹脂サッシは熱伝導率が低く(アルミの1000分の1)断熱性が高いです。しかし樹脂サッシはアルミサッシと比較して高価。サッシは工務店によって見積の差が結構大きかったのでアライに頼まなかったらこのサッシは入れられなかったかも。YKKさんはサッシ、シャッターや玄関ドアのカラーサンプルを持ってきてくれたりして動きが良かったです。

 サッシはプラマードVLowE(YKK)
 西側の窓 :遮熱タイプ
 ★遮熱タイプは金属膜がガラスの外側に貼られていて外から熱が入るのを防ぐタイプ。西側は西日をもろに受けるのでこのタイプを選びました。

 その他の窓:断熱タイプ
 ★断熱タイプは金属膜がガラスの内側に貼られていて室内の熱が外に逃げるのを防ぐタイプ。南側の窓については、ひさしが設けられているし夏の陽は高いので外からの熱は少ないと思われます。一方、冬は陽が部屋の奥まで入るので室内に取り込んだ熱を外に逃がさないようにするため、断熱タイプを選択しました。
       
            勝手口
      プラマードVLowE(YKK)
      断熱タイプ

       ハンドルレバー・ロックシステム
       は気密性の高いタイプ。

玄関ドア
ヴェナート23断熱タイプ(YKK)

●基礎断熱・屋根断熱

 基礎断熱:押出法ポリスチレンフォーム3種b(厚さ50mm)を用いた基礎外断熱。
 屋根断熱:高性能16Kのグラスウール(厚さ240mm)。

●換気扇(第1種換気)
 小口径熱交換気システム(ナショナル)
 法律で24時間換気設備を設けることが義務付けられていますが、外からの空気をそのまま取り入れて換気すれば、室内温度がどんどん外気温に近くなっていきます。ポチ小屋は熱交換型の換気扇をつけました。取り込んだ外気の温度を室温に近づけて屋内に入れます。

●気密工事

 
断熱性を上げるにはすきま風の出入りを遮断するための気密工事が必要です。
 断熱材を詰めた上から気密シートがきっちり張られています。
                    ★高耐久性★ 
 ポチ小屋の耐久性は等級2ですが、ただ1点を除いて等級3を満たしています。
 品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では菌やシロアリによる木材の劣化を予防するために施した対策の手厚さによって、住宅の耐久性を等級3まで区分しています。この劣化予防対策には、木材の湿気対策や薬剤による防腐・防蟻処理などが含まれます。
 ポチ小屋は、柱は全て4寸のヒノキ、土台も全てヒノキ、基礎はべた基礎で高さ60cm、外壁通気工法(透湿防水シートはタイベックハウスラップ)、棟換気など、ただ1点を除いて耐久性の等級3を満たしています。ただ1点、等級3を満たさなかったのは「構造用合板の薬剤処理」だけです。この薬剤処理は強いので、あえて行いませんでした。自然素材以外はなるべく使いたくなかったからです。
   アライでは床下に墨をふきます。これにより湿気や臭いを防ぐことができます。
                    ★高耐震性★
 ポチ小屋の耐震性は等級2ですが、耐力壁の倍率については等級3をクリアしています。
 株式会社アライには「耐震等級3」に近くなるように要求していましたので、要求通りになりました。

 等級1:数百年に一度発生する地震(東京では震度6強から震度7程度)の地震力に対して倒壊・崩壊せず、数十年に一度発生する地震(東京では震度5強程度)の地震力に対して損傷しない程度。
 等級2:上記の地震力の1.25倍の地震に対抗できる。
 等級3:上記の地震力の1.5倍の地震に対抗できる。

 耐震性については非常にややこしくポチ母は十分理解していないのでここでの詳しい説明は省略させて頂きます。  
 ポチ小屋には筋交いや火打ちがしっかり入っていることはもちろん、金具もたくさん使われています。
 土台と基礎をつなぐアンカーボルトは910mm間隔で打たれ、基礎と柱をつなぐホールダウン金物は1階だけでも27個も使用されていました。今住んでいる自宅ではホールダウン金物はせいぜい6箇所くらいしか使われていません。
  
ポチ小屋に使われている金具の写真
                    ★わんこ仕様★
●ポチくんの足が滑らないように1階(和室と寝室を除く)の床はタイルを張りました。
 タイルは素焼き風に見えて素焼きでないもの。素焼きのように肌触りが温かく、タイル特有のヒヤっとした感じがありません。
 足のグリップはかなり良いです。
●玄関の内脇に足洗い場を設けました。シャワーをつけてお湯が出るようにしました。
●ポチくんのハウスとえさ皿を置くスペースを設け、その上にポチくん用品専用の収納棚を造りました。
●階段下をトイレスペースにするため、トイレットペーパーホルダーをつけてもらいました。

 詳しくは別のページでご紹介します。
                              ★良い材料を使用★
 タイベックハウスラップ(吸湿防水シート)やタイガーボード(石膏ボード)など、全く知識のないポチ母でも知っているブランドの物が見えないところに使われているので安心しました。
 また、梁はドライビーム、柱はドライα(いずれも乾燥指定材)を使用しています。
 以前、ある有名工務店の建築途中の物件を見学したことがあり、その時、全ての柱と梁の間に一定の隙間(7〜8mm)がきっちり空いていました。余りにも一定であらゆる箇所に見られたので、それは何か意味があるのだろうと思ってあえてその時は理由を聞きませんでした。
 後でわかったことですが、どうやら乾燥が不十分な木材を使っていたために、建築過程で乾燥して隙間が空いてしまったようです。
 このように木材は種類や節の数だけでなく、乾燥程度も非常に重要です。
 また柱などの木材が搬入されるたびに棟梁が「いいねぇ、いいねぇ」といつも感心していました。
 ポチ小屋は見えないところも見えるところも良い材料が使われています。
                      ★その他★
 床下地は根太を入れる必要のない厚い下地「ネダノン」を使いましたが、1階はポチくんの足が滑らないように寝室と和室以外はタイルを貼るので床を頑丈にするためにネダノンの下に根太を入れました。
 このおかげで薪ストーブの炉台の下に追加で補強を入れる必要はありませんでした。