ポチ小屋とポチの庭 Part1:土地探しから着工まで
ポチ小屋Part1
ポチ小屋はポチくんクラブのクラブハウスです


 我が家は毎年1〜2回旅行をします。ポチくんを迎える前はおしゃれをして美術館へ行ったり、美味しい物を食べたりするのが我が家の旅行スタイルでしたが、彼が家族になってからはスニーカーにジーンズ姿でハイキング中心の旅行になりました。自然の中を旅するうち、いつしか日常生活も自然の中で過ごせたら良いなと、別荘を夢見るようになりました。
 2005年6月、とうとう群馬県の昭和村に土地(通称ポチの庭)を購入し、2007年8月よりようやくお家(通称ポチ小屋)の建築計画が動き始めました。

 ポチ小屋は単に私達家族のお家であるだけでなく、お友達をお迎えするクラブハウスでもあります。
 ささやかな夢を形にしていく過程において、予算は膨れ上がりまくり、、
 果たしてどんなお家が出来上がるのでしょうか。
 このページでは、土地探しから着工前までをご紹介します。
 着工から完成までは「ポチ小屋Part2」をご覧下さい。
 また、ポチの庭を購入してからの自然生活の楽しみ方については「ポチの庭」および「昭和村クラブ」のページでご紹介しています。
                     夢のポチ小屋
 ポチくんは自らリサイクルに励むエコ犬です。食べた物を排泄し、排泄した物を食べ、、、、最近はポチ母のいない時を狙って食べるために排泄しているような感じです。こんなリサイクルくるくるパー犬のために建てる家ですもの、お家もエコでなくっちゃ!
 ポチの庭は標高700m以上。夏は涼しくエアコンをほとんど使いませんが、冬は厳しく寒い時は−10℃くらいまで気温が下がります。従って、何はともあれ断熱性が最重要と考えました。断熱性の高い住宅では冷暖房の使用を抑えることができ、地球温暖化防止の一助にもなります。家の断熱性を十分高くした上で、床下暖房、薪ストーブ、エアコンと言った暖房設備も整えることにしました。薪ストーブはポチ父の夢でもありました。
 それから足腰の悪いポチくんへの配慮も重要。旅先で利用したペット可のペンションの中には部屋の細部に至るまでワンコを気遣った宿があります。そのような宿を参考にして、ポチくんの足が滑らない床タイルを採用、玄関内に足洗い場を設置。また、ポチくんの寝室と備品収納を設計に盛り込んでもらいました。
 この写真はお菓子の家ですが、実際には外壁とデッキにウリンと言う木材を使用します。かなり硬く長期間ほとんどノーメンテナンスでOK。インドネシアからの輸入木材ですが、もうすぐ輸入できなくなります。
 全体的なイメージとしては、ターシャ・チューダー(コーギー飼いの絵本作家兼人形作家)の家みたいにしたいと考えています。
  土地探し開始 2003年7月〜
 最初に考えた対象地域は那須や八ヶ岳方面でした。旅行に行ったついでに不動産屋さんに立ち寄ったり、リゾート雑誌が企画するバスツアーに参加したりして、土地探しをしました。
 リゾート雑誌とリゾート開発会社との共同企画によるバスツアー(那須)は良かったです。参加費は一人たったの数千円でしたが、その中には新幹線の切符、現地のバスツアー費用、レストランでのランチやお茶などが含まれていました。十分な説明を聞きながら土地を見せてもらい、食事や休憩もはさんでゆったりと見学ができました。アンケートには記入させられましたが、後日勧誘は全くなし。土地探しの1つの手段としてお勧めです。
 2年くらいかけて那須と八ヶ岳方面を何ヶ所かまわってみました。
  群馬県の昭和村に土地購入 2005年6月
 いずれは移住することを考えているもののリタイアするまでは週末使いとなることを考えると、自宅から近い方が良いと言うことと土地の価格が安いと言うことから、対象地域を群馬県に移しました。
 八ヶ岳方面で特にあこがれていた大泉村などは地価が高くポチくんが生きている間には購入できそうにありませんでした。ポチくんと共に自然の中で過ごすためですから、彼がいなくなってからでは意味もありません。
 ボンビーな我が家でも手の届きそうな別荘地を群馬県の昭和村に見つけ、2回の見学を経た後、とうとう2005年6月にポチの庭を購入しました。ポチの庭は転売物件で、前の持ち主はなんと我が家(埼玉)から車で約5分のところにお住まいでした。この土地との縁を感じました。
 安いとは言え、土地を購入しただけでスッカラカン。家(ポチ小屋)をすぐに建てることができなかったので、土地を「ポチの庭(Pochi's Garden)」と名付け、そこでピクニックをしたり、周辺の自然の中で遊んだりしながら2年以上過ごしてきました。
  工務店探し開始 2007年8月〜

 A社(株式会社アライ)のモデルハウス
リビング。
 住宅展示場にあるような夢の様な
お家ではなく、会社がデータを取るた
めに研究用に建てたお家です。
 我が家よりも昔に建てられたのに
ずいぶんしっかりと建てられたお家。
 家の中での温度差が少なく、空気
温度が均一な感じがします。
 ポチ父の夏休みを利用してポチの庭に行ったついでに群馬県の工務店3社と設計事務所1ヶ所をまわりました。ポチ父が何年もかかってマイホームデザイナーで描いた設計図と希望する仕様などを書いた文書を見せて要望を伝えました。

 工務店A社:断熱性能をうたい文句にしている工務店。モデルハウスに体験宿泊させてもらい、すぐに設計図を起こし、概算見積を立ててくれることに。営業マンが最初から熱心で積極的。世間話もたくさんしたので我が家におけるポチくんの位置や、ポチ小屋建築計画の経緯を良く理解してもらえたと思います。設計士さんが犬好きなのがまた何かのご縁かも。
 工務店B社:建築費は高めですが自社大工さんが良いと言う評判。別荘地内でも建築物件があります。ここでも設計図を起こし、概算見積を立ててくれることに。要望書を渡した時以外営業マンが関わらず、後は設計士さんだけの打合せ。世間話など一切しなかったので、ポチ小屋に対する思い入れが伝わらず、ポチくんに関わる部分を勝手に変更されたことも。見積はかなり具体的なところまで丁寧に出してきてくれましたが、設計士さんが打合せの時に肘をついていたり、だるそうに話をしていたのが気になりました。
 工務店C社:最初に予算の立て方について教えてもらいました。後日、工場見学をして社長のお話を伺い、お昼ご飯とお菓子をご馳走になり、りんご狩りもさせてもらいました。でも肝心なその先は、正式に契約してからでないと進みません。
 伊香保方面にあるWANport cafe sun's(ドッグカフェとドッグラン)は工務店C社が施工したものでありました。
 設計事務所:正式に契約をしてから設計図を起こしてもらい、その設計図に基づいていくつかの工務店に見積を出させて工務店を決める仕組み。断熱に関して詳しくなさそうなのが気になりました。

 工務店C社と設計事務所はA社やB社と比較ができないので最初に話がストップ。A社とB社のどちらかに決めることにしました。
   工務店決定! 2007年11月上旬
 契約することを前提として、A社、すなわち株式会社アライに絞って話を詰めていくことにしました。
 株式会社アライに決めた理由は、計算されたQ値がポチ父が考えている範囲に入っていたのに対しB社は高かったこと(低い方が良)、また株式会社アライの方が見積が安かったことです。
 あともう一つ、B社はやる気が感じられず、世間話のひとつもしませんでした。家と言うものは間取りと仕様だけを聞いてできるものではないと思います。家族構成や家族の関係、家族の夢、家に対する思い入れ、等々を形に変えていくものだと思います。家族というのは人間だけとは限りません。我が家のようにペットの存在が大きい家庭もあります。工務店B社に「この空いているところをわんちゃんのスペースにして下さい」と言われた時はムっとしました。ポチ小屋はポチくんがいたからこそ建てることになったお家です。そのことをB社は全くわかっていませんでした。だって全然そういう話をしなかったんですもん。その点、アライの営業マンは熱心で上手に世間話をしながら色んな情報を得ていたように思います。だけど、B社はお金持ち相手に結構良い商売してるんですよねぇ〜。B社がポチ小屋の仕事を逃したところで痛くも痒くもないかも。

 株式会社アライ(群馬県高崎市)
 「新木造住宅技術研究協議会(新住協)」と「北関東地域住宅開発ネットワーク」の会員で、学者さん達や同業者と一緒に断熱性能などについて研究をしており、「目指せQ1住宅」をうたい文句にしています。そういうところが時流に乗っていると言うか、今注目されているところであるので、最近、地元の新聞に取り上げられました。
 我が家が最重要視している点と株式会社アライが力を入れている点が一致していたと言うわけです。

 設計は、株式会社アライが契約している秀雅設計事務所
 〒370-0001群馬県高崎市中尾1013 (電話027−361−1450) hide.fukasawa@ivory.plala.or.jp
 初めて株式会社アライに伺った時にこの設計士さんが設計されたお家を見せて頂いたのですが、当日外気温が35〜36℃と言う猛暑の中、そのお家はエアコンをその日一度もつけていなかったのに室温が30℃でした。30℃と言うと絶対値的には低くないですが、外気温と比較して相対的にかなり低く、お家に入った時涼しく感じられました。そして大きな吹き抜けのあるリビングの中でシーリングファンによって涼しい空気が回っていました。その空気の動き方が印象的でした。
 2008年2月初旬に新住協が高断熱住宅の全国60箇所一斉内覧会を行いました。会員である株式会社アライもその内覧会に向けて高断熱住宅を建て、同じ日に内覧会を行いました。そのお家を建てた大工さんがポチ小屋の建築を担当して下さることになりました。 
   Q値
 断熱性の話が出たところで、ポチ小屋の計算されたQ値は1.6未満。
 「Q値」というのは「熱損失係数」と言ってこの値が低いほど断熱性能が高いことを意味します。ポチ小屋のQ値は北海道の次世代省エネ住宅に相当します。すなわち、ポチ小屋を北海道に建てても暖房費を節約しながら暖かく住むことができます。
   打合せとショールーム巡り 2007年11月
 打合せを繰り返しながら、設計や仕様を詰めて行きました。
 打合せに行った時に内覧会がある場合には内覧会にも行きました。内覧会は新築物件だけでなく建築後1年経過した物件もありました。内覧会で得たアイデアをポチ小屋の設計に取り入れたり、反対に取りやめにした仕様もありました。良いと思っていた仕様が意外と傷つきやすいことが内覧会でわかり、実際に建てる前にそれが分かって良かったです。内覧会は結構勉強になるので、建築計画のある方には設計が最終的に決定するまで見られるだけ見ておくことをお勧めします。

 高崎にはほとんどのショールームが揃っています。営業マンと一緒にサンウェーブのシステムキッチンとTOTOの浴室・トイレを見に行きました。予め営業マンが予約を入れておいてくれました。午前の時間が過ぎるとあっと言う間にお客さんがいっぱい。予約しておかないと待たなければなりません。しかも営業マンは美人でちゃんと説明のできるしっかり者の女性説明員を押さえておいてくれました。サンウェーブもTOTOもかなりの美人さんだったのでポチ父はウッハウハ。
 システムキッチンはサンウェーブのサンヴァリエ<ピット>に決定。キッチンにはお金をかけないつもりでしたが、結構な価格に、、、今の自宅のキッチンと比べると恐らく倍くらいでしょうか。
 浴室はTOTOのバスピア魔法瓶浴槽ライトシリーズにしました。家自体が高断熱なので浴槽は魔法瓶浴槽の「ライト」で良いだろうと言うことになりました。オプションで小物を付けたり壁を変えたりとパソコン画面でシミュレーションできるのですが、模型があって実際に壁や床を実物のミニサイズで入れ替えてみることができるので、本物のイメージが良くわかって面白かったです。

 打合せのない週末にはポチ父と2人で都内のシュールームに行きました。
 ドアやサッシは断熱性能の高い物を選びました。サッシはYKKのプラマードVLowE断熱タイプ。ドアはヴェナート23断熱タイプ。色を確認したかったので、YKKのショールーム(品川)に行きました。群馬の方でもYKKの方がアライにカラーサンプルを持ってきてくれていました。
 ペンションの床に良く使われている犬の足の滑らないタイルが見つかりませんでした。通販専門の建材販売店サンワカンパニーが有明にショールームを持っているので行ってみたところ、ペンションで見たのと同じようなのが見つかりました。素焼き風だけど実は素焼きではなくてちゃんと水をはじき、タイル特有の冷やっとした肌触りではなく暖かな肌触りで理想的。イタリア製のマテリエと言うタイルです。このサンワカンパニーはサンプルを10点まで無料で送ってくれます。立派なカタログもあります。
   東京暖炉 2007年12月
 ポチ父の夢、薪ストーブ。予算が膨れあがり薪ストーブは諦めようかと思いましたが、やっぱり入れることに。暖炉屋の社長さんが、薪ストーブは必ず見てから決めてほしいと言われたので、藤岡の東京暖炉に営業マンと一緒に行きました。私達がお店に着く直前に店主が薪ストーブに火を入れていました。あっと言う間に店内はポッカポカ。薪ストーブはこんなに暖かいものなのかと感動しました。広い店内にはたくさんの薪ストーブが展示されていました。やっぱり、実際に見て正解。予め工務店で選んでもらっていたのより良い物に目が釘付け。結局、アンコールエヴァーヴァーンに決定。
   照明器具  2007年12月
 ODELICに決めました。
   正式に工務店と契約 2007年12月中旬
 設計や仕様の話も大分詰められたし、さらに細かい設計図を起こすには正式に契約することが必要であったので、12月中旬にアライと正式に契約しました。
   展開図と
   コンセント・スイッチ位置
2008年1月
 設計図は上から見た図面だけでなく、横四方から見た図面も起こしてもらい、コンセントやスイッチの位置も決めました。
   訂正部分の確認 2008年2月
 前回打合せ時に訂正をお願いした部分の確認をするくらいで、もうほとんど話は詰まっています。
 資材の発注が始まり、柱など一部の資材のプレカットも発注されました。次は、いよいよポチの庭の木の伐採。
 別荘地内の管理を依頼されている会社が木の伐採もやってくれます。次回3月、その会社と工務店と一緒に、どの木を伐採するか決めることになりました。
   伐採の打合せ 2008年3月3日
 ポチの庭でアライの営業マンと伐採を依頼する会社の方とで伐採する木を決めました。伐採は今月初旬。この時期は伐採に適しているそうです。木が水を吸っていないし、雪が少し積もっているために木を切った時にチェーンソーが地面の石を削ったりしないからだそうです。
 場所を榛東村のモデルハウスに移して、秀雅設計事務所の方とアライの営業マンとで打合せしました。詳細が決まっていなかった事項と訂正箇所の確認をしました。話はほとんど詰まっています。
   抜根と壁の打合せ 2008年3月15日
 ポチの庭では伐採が終わって今度はどの切り株の根を抜くか打合せをしました。自分で処理するには大変みたいだし、ポチ小屋が建てば他に色々やることが山積みなので、抜根は全て業者に頼むことにしました。根は産業廃棄物として処理されるので、その費用がかかります。都会で家を建てる場合には伐採や抜根はやらないことなので、これらの費用は思わぬ出費。それでも切り倒した木は将来薪として使う予定なので、焼却処分にしないで庭に積んで置いてもらい、処分費用を節約することができました。
 夕方から場所を移して工務店と設計士さんとで打合せをしました。和室は薄紫色の漆喰、他の壁は珪藻土にしました。最初から和室の壁は薄紫にしたいと思っていました。インテリアは薄紫とピンクやアズキ色で統一しようと考えています。
 地鎮祭の日取りも決めました。4月12日(土)午後。お供えなど全部含めてお任せパックでウン万円。助かります。
 地鎮祭の日は雨など降らず良いお天気になれば良いですね、と言う話になった時、設計士さんが「強風も困りますよ」と、ご自宅の地鎮祭の話になりました。ものすごい強風でお供え、玉串、台まで風で飛ばされたそうで、何か不吉な予感がしたそうです。確かに、そんな日にそんなことになるとイヤ〜な予感がしますよね。でも、とても素敵なお家ができました。
   地鎮祭の日取りを変更 2008年3月31日
 株式会社アライの営業マンから電話がかかってきました。地鎮祭を予定している4月12日は三隣亡(さんりんぼう)で日が良くないとのこと。この日は「先負」なので午後に地鎮祭を行うことになっており、これで良いと思っていました。三隣亡とは「昔から普請始め、柱立て、棟上げなどには大凶とされ、もしもこの日を用いて施工した家屋が後日災禍を起こした場合、近所となりをも滅ぼす」とされています。調べてびつくり!こんな日があるとは知りませんでした。斜め向かいはボレロちゃんのお家ですから災いが及んでは困ります。
 改めて日を調べて4月20日(日)大安の日に地鎮祭を行うことにしました。着工が4月16日だったので、地鎮祭が遅くなればそれ以降の予定も遅くなり、ポチ小屋の完成も遅くなるかも知れません。それでも縁起の悪い日に地鎮祭をするよりはましです。
    抜根 2008年3〜4月
 伐採をお願いした会社に抜根もやってもらいましたが、一部、建物の範囲内の根に関しては基礎工事をお願いする会社に抜いてもらいました。
   基礎工事打ち合わせ 2008年4月19日
 地鎮祭の前日に現地入りして、基礎工事について打ち合わせしました。
 東側の傾斜が思ったよりきついため、家の位置を全体に少しずらすことにしました。
 家が建つ部分にロープが張ってありました。ロープだけ見ていると家が随分小さく感じられます。
以降、Part2に続く
最終更新日:2008年5月12日