ポチ母がここに来た目的は先に書いた通り、いくつかあります。
弛みきった精神と肉体をシャキっとさせることも一つでした。
一番大きなきっかけとなったのは、3月に森永紗千さんを介してポチくんとお話ししたこと。
たくさん謝りたいことがあったけど、お話しているうちにもう謝らない方が良いと思いました。
しかし、ポチくんが気にしていなくても、それでポチ母の気持ちが済んだ訳ではありませんでした。
「肉体を持って今生きている子達に目を向けて欲しい」と言うポチくんの言葉に応えることによって、ポチ母の心に残っている謝罪の気持ちにけりを付けようと思ったのです。
東日本大震災後、原発避難地域の動物のことがずっと気になっていました。
たった1頭でも助けることができれば、ポチくんの気持ちに応えることができると同時に、自分の気持ちも切り替えができるのではないかと思いました。
それから、ずっとずっと長い間、悔やんでいたことがありました。
まだ、ポチくんが若かった頃です。
放浪犬を誰かが捕まえて空き地につなぎ、警察に連絡しました。
ちょうどポチくんを散歩させている時に、その子を空き地で見かけたので、何とか警察にいる間に家で預かって飼い主なり里親なり見つけようと考えました。
しかし、ポチ父と意見が合わず、結局、その子は保健所に入りました。
保健所での保護期間が過ぎて、その子が処分される日、ポチくんとお散歩していた時に、大事にしていた迷子札が首輪から落ちてなくなってしまいました。
お散歩コースを3回も見て回ったけれど、見つからず。もう諦めようと思った時、誰かが拾ってくれたのでしょう。道脇の杭の上に置いてあったのです。それに気付かず、ポチ母は地面ばかり探していました。
とにかく見つかったのは良かったのですが、その迷子札と首輪とをつないでいたナスカンがポッキリ折れていたのを見て何かを感じました。リードをつなぐナスカンではありません。ただ迷子札をつないでいただけで、力の加わらないナスカンが、なぜポッキリ折れたのか? あの子が処分されたことと結びつけずにはいられませんでした。
空が真っ青な日でした。あの青い空と折れたナスカンが今でも忘れられません。
その子に対するお詫びもしたかったのです。
一時預かりボランティアをやりたいとポチ父に話して「そうしよう」と言うことになりました。
いくつかの団体に登録したのですが、いっこうに連絡がありません。
これは行くしかないと思いました。
最初仙台に行くつもりだったのですが、テレビで犬猫みなしご救援隊が栃木に臨時拠点を置いて活動していることを知り、急遽、こちらに変更。栃木の方がライフラインも整っているし、距離的にも近いし、好都合でした。
例え一時預かりでも飼い主さんの都合で、以降ずっと飼うことになるかも知れず、そのことを考えて、ボランティア活動をしながら自分たちが飼えそうな子がいるかどうか探すことにしました。
これは大正解です。
一目惚れしたテツくんは、シシ猟犬で、とても家庭で飼える子ではないとわかりました。
ちょっと見ただけでは、性格、食餌や散歩の様子などわかりません。じっくり見ることが必要だと思いました。
この日の目標は、昨日ビビビと来た子(と106口腔炎、愛称まゆげちゃん)を連れて帰りたいことを代表の中谷さんに伝えること、まゆげちゃんをさらに良く見てみること、でした。
前夜ポチ父と電話で話したのに、このまゆげちゃんが気に入ったことを話すのを忘れていました。
ポチ父にも言わねば。 |
朝、6時半に起床。
昨夜は頭痛がひどく立っているのがやっとの状態でした。
年末の忙しい時期になると、立っていられないくらいの頭痛が起こることがあるのですが、それと同じ状態でした。
朝、起きた時もまだ頭痛が残っていました。
いったい、今日一日持つのでしょうか。
猫たん達は、トイレをベッド代わりにして団子になっておりました。あぁぁぁぁ~~可愛い!
朝から癒されました。
先ずは猫たんハウスの掃除と給餌・給水。
着替えと朝食を済ませて外に出ると、薄曇りで昨日よりずっと涼しかったです。 |
8時にはボランティアさんが結構集まっていました。
ポチ母がこちらに来る直前に、犬猫みなしご救援隊の活動が再びテレビで紹介されたためでしょうか、来る前に読んでいたブログのコメント欄での様子と比べて、ボランティアさんの数が増えているようです。と言っても、まだまだ人手不足ですよ。
いつものようにハウスからわんこ達を出して庭で排泄させた後、所定の場所につなぎました。
給水、給餌、ご飯のお代わりを済ませた後、さぁお散歩です。
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ポチ母が真っ先に迎えに行くのは「もみじの連れ」です。
とにかく引きやすくて助かります。
前日のスキンシップタイムの時、このおじいちゃんわんこを撫でた後、立って他のわんこのところに行こうとしたら、「キューキュー」と鳴いたので再び戻ってしばらく撫でていました。それで立ち去ろうとした時、再び「キューキュー」と鳴いたので戻って撫で撫で、立ち上がったらまた「キューキュー」戻って撫で撫で、、、、を永遠に繰り返していました。「キューキューと鳴くとこのおばちゃんはずっとそばにいて撫でてくれる」と学習したようです。
散歩に迎えに行くと、「おっ、待ってました!」と言う表情。
おぉぉ~、可愛い! |
お散歩2頭目はナナメちゃん。
頭と体が傾いているので良く回るため、目が回りますが、とにかく愛嬌のある表情で可愛い!
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「柴婆」と書かれていたので、引きは強くないだろうと思いました。
人は見かけによらず、わんこも同じでした。
とにかく、キョーレツに引きます。お婆さんとは思えません。
しかも、この子は保護された時、とても具合が悪く65日間つながれたままで散歩させられない状態だったそうです。
その子がここまで回復するとは。
この子の生命力が強かったことはもちろん、手厚い世話のおかげです。
おばちゃんは引きずり倒されそうだったけど、とにかく元気になって良かったね。 |
4頭目は、はなちゃん(写真なし)。
こういうところを散歩しています。
とても気持ち良いです。
ちょうど、中谷さんと一緒になりました。
「一時預かりや里親を募集していますか?」と聞くと「ずっと募集していますよ。何頭か連れて帰りますか?」と言う返事。
良くぷっと笑えるような話の切り返しをされる方です。
「いえいえ一頭で十分です」と、まゆげちゃんのことが気に入っていることを伝えました。
実は前日にザキヤマさんに話していて、ザキヤマさんからも「この子は良い子ですよ」と言われていました。その話が伝わっていたのか、さっき田原さんとすれ違った時もまゆげちゃんのことを「あの子は良い子だよ」と言われました。
もちろん、中谷さんも「あの子は良い子ですよ」と言う返事。
ほぼ決まったも同然。順番が逆になってしまいましたが、後はポチ父に了承を得るだけ。
散歩の帰り道、ずっとお話しました。保護活動中の出来事や、今いる子達の背景など色々。
冗談ばっかり話しているかと思いきや、まじめな話もたくさんされます。ポチくんに言われた「今生きている子達に目を向けて」と言う話もしました。
「人間は死んでも自分のことを忘れて欲しくないけれど、動物はみんな死んだ自分よりも生きている子達の方を大切にして欲しいと考えている」と言うお話しに、改めてじ~んときました。
拠点に戻って、わんこをつないでからも話は続きました。
何という中身の濃い充実した時間。
涼しかったし、楽しかったので、昨日までの疲れが吹っ飛んだ感じです。 |
散歩が終わったら、改めてわんこ達の給水。
餌皿を回収して洗う人と、ハウスを掃除する人に別れます。
写真左はハウスの掃除の様子。
中に敷いてあった新聞紙とシートを除去した後、消毒液で消毒します。
中に入って隅々まで消毒液で拭きます。
この姿勢は辛いです。
ポチ母は頸椎のヘルニアもあるので、首を上に向けるのがとても辛いですが、頑張ってやりました。 |
右奥の男性はボランティア常連さん。
ポチ母滞在中、お会いするのは2度目です。
排泄物(ウンチ)で汚れたバリケンを洗っておられます。 |
ライドさんは、あいのりボランティアもされています。
今日は、東京から女性を車に乗せて来て下さいました。
その方と一緒にお昼ご飯。
本当にわんこ好きな方でした。
昼食もそこそこ、ポチ母は「と106:口腔炎(まゆげちゃん)」とスキンシップしようと思っていたのですが、外へわんこ達が連れて出されるところを見て気になりました。
良く見てみると、預かりボランティアさんがわんこ達を連れて行くところでした。 |
太郎と花子と同じサークルの中にいた「まこちゃん」 |
可愛くて愛嬌のあった男の子の「くぅちゃん」 |
サークルに入ってもらうのに苦労した黒柴の女の子。 |
とっても人なつっこくて食いしん坊で、ポチ母お気に入りの甲斐犬。 |
ポインター。
この子も人なつっこくて、近づくといつも飛びついてきました。
この子のためにドッグランも用意されているそうです。 |
5頭いっぺんに。
この子達には幸せなことですが、
うぐぅ~~、寂しい。 |
中谷さんに「寂しいでしょ?」と言われました。
この子達と過ごしたのはほんの2日間でしたが、それでも涙が出るほど寂しかったです。
命がけで保護して、毎日毎日世話をしてこられたみなしご救援隊の方がいつもこの場面で「寂しいなぁ」と言われる気持ちが良く分かりました。 |
ドラマチックなお別れで、まゆげちゃんと触れ合おうと考えていたことをすっかり忘れ、昼食後のスキンシップタイムは他のわんこのところばかり回ってしまいました。 |
受付のところにつながれている「あみちゃん」。色々病気があるらしく、お腹の所に大きな腫瘍ができてぶら下がっています。
呼吸するたびに「ゼーゼー」と言います。
愛くるしいお顔。とっても可愛いです。
どうか病気に負けないで長生きしてね。 |
あみちゃんの向かい辺りにいる「ムック」
この子は、元気に散歩します。
あっちやこっちに行ったりせず、お行儀良くお散歩してくれるし体が小さくて引きも弱いので、一緒に楽しくお散歩できます。 |
デッキにいる「ユキちゃん」
とにかく、この子は近くによると100%必ず思いっきりマウンティングしてきます。
マウンティングしたくて仕方がない様子。
奥の子達に用事があって、ユキちゃんの前を通ろうとすると通せんぼします。右に行けば右、左に行けば左、一度マウンティングされるとなかなか逃れられません。
甘えん坊なんでしょうね。 |
奥の庭の子達のところもまわってみました。
さっき、預かり(里親?)ボランティアさんと行ってしまった甲斐犬がつながれていたリード。
はぁ~、寂しい。 |
結局、うちの子となる予定のまゆげちゃんのところにまわれないまま、わんこ達の夕飯となり、お散歩タイムとなりました。
1頭目はやはり「もみじの連れ」じぃちゃん。
迎えに来ると嬉しそうな表情を見せました。 |
朝の散歩と同じく2頭目はナナメちゃん。
ナナメちゃんはお顔も可愛いけど、体の模様も可愛いです。 |
3頭目は、、、、、
悔しい、まゆげちゃんは既に誰かがお散歩に出していました。
まゆげちゃんの奥にいる「赤茶ちゃん」。
この子はとっても見た目が可愛く、素敵な首輪をしています。
そしてまゆげちゃんと同じく「良い子だ」と言われていました。
オシッコをする姿が面白い。
半分逆立ち状態で、お尻を高く持ち上げてオシッコ。まるで男の子のマーキングみたい。
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アナック親子のお散歩の様子。
母親のアナック(茶色)は脳の病気のため、歩けませんでしたが、後ろ足を引きずりながらも普通にお散歩できるようになりました。
ノンストップで早足でお散歩させます。 |
あっという間に遠くまで行ってしまいました。
(↑のところ) |
4頭目はムックです。
小さいながらコロンとした体型が可愛い。
トコトコと小走りで元気にたくさん歩きました。 |
5頭目は何て言う名前かな?
男の子です。
あっちこっち引きますが、白くて可愛い子です。 |
お散歩を終えるとわんこ達に給水。
餌皿を回収して洗浄。
今日も薄暗くなってから、わんこ達をハウスに入れました。
毎日、ハウスしたら中におやつを入れてあげます。
後方支援の方から送って頂いたり、ボランティアの方が持ってこられたりしたおやつは、ちゃんとワンコ達のお口に入っています。
昨日、栃木から来られたHさんが持って来られたおやつも、ちゃんとわんこ達のお口に入っていましたよ。
「はい、何々ちゃん、ハウス完了。おやつ!おやつ」と言う声が飛び交います。
ハウス作業の途中から真っ暗。
名札の文字が見えづらいです。
水皿も回収して洗浄。
この日は、午後から若い男性がボランティアに来ました。
その男性と一緒に皿洗いしながらお話しました。
何と福島第一原発で働いているお兄さんです。
仕事のお休みを利用してボランティアに来られました。
ご両親はミニチュアダックスを連れて避難。ホテルに避難できるようになってきましたが、ペット可のホテルはすぐに埋まってしまうため、ミニチュアダックスを手放せないご両親は未だに避難所暮らしだそうです。
今晩は車中泊で、明日もボランティアするとか。
原発の仕事も大変だろうに、ここまでボランティアに来て偉いなぁと思いました。
先日の福島から来られた方と同じく、「ここにいる子は福島の子達ですよね」と。
お兄さん(20代後半)、これから結婚して子供をつくる大切な体。
どうか、健康第一にね。
ルックスも性格も良いから、きっと素敵な女性が見つかって良い家庭が築けると思います。
皿洗いを終えて犬舎を出ると、「○○さん、お疲れ様」と中谷さんから一言。
しばらくみんなで話をした後、部屋に上がりました。
疲れたけど、楽しかったです。
疲れは昨夜~今朝がピークで、今日は体が慣れてきたようです。
涼しかったことも助かりました。 |
実は昨日、今日と噛まれました。
左、中央、右に歯形があります。
右のは昨日テツコに、あとの2つは今日リンちゃんに。
リンちゃんは、あみちゃんやムックの近くにいて、これまでさんざん撫でていました。
ところが、今日はがぶり。
ちょうど寝ていたところ、目は開けましたが寝ぼけていたのでしょう。突然手が近づいてびっくりしたのだと思います。
しかし、そう言えば、リンちゃんは他のわんこにはきついところを見ていました。
油断した自分が悪かったのです。
小さい子の方がグサリと食い込むので痛いです。 |
着ていたテニスウェアに血が飛び散りました。
下に着ていたTシャツにも血が飛びました。
見てみると、家の玄関にも血が飛んでいました。
結構出血しました。 |
部屋に入ると、このように猫たん達がお出迎え。
可愛すぎる! |
写真はボケていますが、なんとウサちゃんもいました。
そう言えば、今日静岡から着た重役お姉さん(朝が遅い)がウサギ小屋の掃除をしてたっけ。
これだったのね。
注)静岡から来た重役お姉さんはみんなからそう呼ばれています。とっても動物好きで、明るくて可愛くて、いるだけでパっと花が咲いたような2人組。 |
シャワーを浴びるため、廊下に寝ているワンコ達をまたぎ、ワンコやニャンコが寝ている部屋の前を通って行きます。 |
そこは、見た目に汚いですが、動物好きにとっては夢のような空間。
可愛い!
可愛い!
それ以外の言葉は出てきません。 |
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せっかくシャワーを浴びて綺麗になっても、またこの廊下を歩くと足の裏は真っ黒。
でも、この子達を寝る前に見られて幸せな気分です。 |
さぁ、夕飯と思ったら、ポチ父から電話。
まゆげちゃんのことを話しました。
土曜日の午後に車で迎えに来てもらうことになりました。
今日の夕飯はおにぎり3つ。
昨日まで2個でした。
今日は疲れが取れて、ちょっと食欲が出てきました。
これを口にしたのは、もう10時。
日記を付けて就寝したのは12時でした。
携帯の万歩計は26784歩。
歩いたねぇ。 |
猫たん達は先に寝ていました。
黒いこの足の間から、白い子の口が見えます。
お口が開いてます。
おやちゅみ、猫たん達。
また明日ね。 |